日本経済新聞社の社員株主制度を巡り、元社員同士の株譲渡が認められるかどうかが争われた訴訟の上告審判決が17日、最高裁第3小法廷であった。
堀籠幸男裁判長は、「株主が日経株式を売却する場合、社員株主で構成される『日本経済新聞共栄会』が額面金額で買い戻すというルールには合理性があり、有効」と述べ、同ルールに反する元社員間の株式譲渡を認めない判断を示した。その上で元社員2人の上告を棄却、日経新聞側の勝訴が確定した。
新聞社の独立を守る観点から、新聞社の株式譲渡先を事業関係者に限定できるとした日刊新聞法の理念に沿う判断と言える。
元社員は2005年、保有していた同社株400株を1株1000円で元論説委員に売却する契約を結び、同社に承認を求めた。しかし同社は「日刊新聞法などに基づいて株主を社員らに限定し、株式譲渡の際は共栄会が1株100円で買い戻すことになっている」と拒んだため、2人は、元論説委員が株主であることの確認などを求めて提訴した。
◆判決の骨子◆
▽日経新聞社は日刊新聞法に基づき、株式の譲り受け人を同社の事業に関係ある者に限っている。
▽株主が株式を売却するときは持ち株会が額面金額で買い戻すという株式譲渡ルールには合理性がある。
▽元社員は同ルールを認識した上、これに従うという合意をしている。
▽この合意は、会社法に反するものではなく、公序良俗にも反しないから有効。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090217-OYT1T00627.htm