新銀行東京(東京都新宿区)は17日、経営責任の調査を依頼した弁護士事務所の報告書を公表するとともに、初代トップの仁司泰正・元代表執行役(68)ら2人に損害賠償を求める訴訟を起こす方針を正式に発表した。
刑事告訴については、「証拠が得られなかった」として断念した。
報告書によると、仁司氏と代表補佐だった丹治幹雄・元執行役(54)は、想定以上に発生した融資の焦げ付きに対し、遅くとも2006年8月には抜本的な対策を講じるべきだったがこれを怠り、融資拡大路線を続け、重大な注意義務違反があるとした。損害額は少なくとも約112億円とした。
また、旧経営陣のうち、2人を除く社外取締役7人(現役員含む)についても、同様に注意義務違反があるとしたが、「実務を担当していなかった」などを理由に、報酬の自主返納要請にとどめた。7人は、石原慎太郎都知事の知人や検察OBらだが、新銀行は、返納額を明らかにしていない。
記者会見した津島隆一・代表執行役ら現経営陣は、「(調査は)客観性、独立性を確保して行われた」とし、過大な融資目標などを定めた都の基本計画については「問題があるとの言及はなかった」として、都に責任はなかったとの認識を示した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090217-OYT1T00521.htm