【ソウル、平壌16日共同】韓国の
北朝鮮が、最近の長距離弾道ミサイル発射準備説をめぐり、立場を明らかにしたのは初めて。「民族最大の名節(祝日)」とされる最高指導者、
日本を皮切りとするクリントン米国務長官のアジア歴訪の同日開始をにらみ、オバマ米政権との交渉に向けた布石を打ち始めたとも受け取れる。“人工衛星”発射準備をにじませながら、オバマ政権が打ち出す北朝鮮との対話路線を試そうとしている可能性もある。
ただ韓国国防省関係者によると、テポドン2号とみられる物体が運び込まれた咸鏡北道舞水端里(ムスダンリ)の発射施設では、ミサイルを発射台に据え付ける段階には至っていない。実際に発射するのかどうかや準備作業がどの程度進んでいるのかは不明だ。
北朝鮮は一九九八年八月に発射した「テポドン1号」とみられる弾道ミサイルを、同国初の人工衛星「光明星1号」だったと発表、軌道投入に成功したとしている。論評は、米韓などの懸念表明を「われわれに対する重大な挑発であり、われわれの自衛的な国防力建設はもちろん、平和的な科学研究活動までミサイルを理由に妨害しようとする凶悪な策動だ」と非難した。
金総書記が六十七歳となった十六日の首都平壌は、国立交響楽団の祝賀公演など祝賀関連行事が相次いで開かれたが、金総書記の行事への出席は伝えられなかった。