福山市鞆町に約350年前から伝わる、矢を放って悪鬼を追い払う「お弓神事」が15日、同町の沼名前(ぬなくま)神社であった。
神事は町内7地区で担当を回し、今年は石井町、石井浜町だった。弓を射る大弓主(おおゆみぬし)を自営業妹尾陽一郎さん(49)、小弓主を同荻原隆行さん(27)が務めた。2人は礼装の素襖(すおう)、烏帽子姿で氏子らと境内に登場。祭儀を終えると舞台に立ち、27メートル先にある直径約2メートルの的を、氏子の「ねーろた、ねーろた」の掛け声とともに狙った。
交互に1人6本ずつ放った。的を射抜くたびに、約500人の来場者から歓声と拍手が起こった。
【写真説明】的を狙って交互に弓を引く小弓主の荻原さん(奥)と大弓主の妹尾さん