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2009年02月16日(月) 07時37分

ハクチョウ餌付けやめても例年並み飛来…環境省調査読売新聞

 人を介した鳥インフルエンザの感染拡大を懸念し、今冬からハクチョウと人が間近で触れ合う餌付けを中止した最上川スワンパーク(山形県酒田市)で、飛来数が例年と変わっていないことが環境省の調査でわかった。

 愛鳥団体などは、餌付けの中止によってハクチョウが減少することを心配していたが、調査結果にひとまずほっとしている。

 環境省の調査によると、スワンパークにはハクチョウが毎年1万羽前後飛来しており、9200羽が集まった昨季まで、飛来数は12年連続で日本一だった。

 今季は、餌付けを取りやめてから約3か月後の1月10〜18日に調査。昨季より700羽多い9900羽が確認された。一方で、餌をお相伴していたカモ類は1万5800羽と、昨季の3万2310羽から半減。隣接する鶴岡市の下池には、昨季の1・8倍近い1万2694羽が飛来しており、餌付け中止のとばっちりを受けて移動したらしい。

 渡り鳥の飛来地では、餌付けが広く行われてきた。しかし、フンに含まれるウイルスが靴などに付着して鶏などに感染する恐れがあることや、確率は極めて低いものの人に感染した場合は新型ウイルスに変異する危険もある。このため、今冬は、あぶくま親水公園(福島市)、間木堤(青森県おいらせ町)などでも餌付けをやめた。

 スワンパークで餌付けを40年以上続けていた「酒田市白鳥を愛する会」の池田昭三・副会長は、「ほっとした。落ち穂などを拾って生きていけるのだろう。ゆっくり羽を休めてほしい」と話している。調査を実施した環境省生物多様性センターは「他の飛来地の調査と合わせ、餌付け中止の影響を分析したい」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090215-OYT1T00991.htm