浜松市は、市内に6校ある南米系外国人学校に通うブラジル人などの児童・生徒に対し、新年度から1人1万円を上限に教科書代を補助することを決めた。
失職するブラジル人労働者が増え、教科書代を払えずに学校を去る子供を減らすのがねらい。6校のうち5校は無認可校で、文部科学省によると、無認可校に通う外国人の子供に自治体が助成するのは全国初という。
同市の外国人登録は1月末現在、ブラジル人1万8825人、ペルー人2383人など。2008年9月に6校で計1000人いた在籍者は今年1月上旬には約370人も減り、市は「親が仕事を失い、授業料などを払えなくなって退学した子が少なくない」とみている。
6校とも本国から教員の派遣や教科書の配布などの支援は受けておらず、保護者は授業料や送迎代などで毎月3万〜5万円、教科書代として年間約3万円を負担している。
新年度は、08年5月時点での学齢期(6〜15歳)の在籍者数と同じ745人分として、教科書代の3分の1を補助する。16日発表した新年度当初予算案に、事業費745万円を盛り込んだ。
ブラジル人の児童・生徒170人が通う「イーエーエスブラジル学校」(浜松市東区)の倉橋徒夢(とむ)代表は、「失業給付の中から授業料を払っている家庭もある。補助は、そうした家庭の助けになり、子供も元気に学校に通えるだろう」と歓迎している。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081209-206556/news/20090216-OYT1T00859.htm