約1年7か月ぶりの再開となった15日の水俣病認定審査会。村田信一・県環境生活部長は終了後の記者会見で、「認定審査が長期にわたって滞っていたことを危惧(きぐ)していた。委員には、(再開という)大変な決断をしていただき、ありがたいと思っている」と述べ、安堵(あんど)の表情を見せた。
記者会見は、審査会が開かれた熊本市内のホテルで午後3時半頃から始まった。村田部長は、蒲島知事が1月には、審査会の岡嶋透会長ら委員に再開を要請していたことを明かした。そのうえで、2004年10月の関西訴訟最高裁判決以降、審査が滞っていた状況に、「水俣病問題に対する行政のあり方としては、おかしいと思っていた」と振り返った。
また、与党プロジェクトチームによる新救済策の法制化の動きが進んでいることに、「県としても新救済策実現に向け、精いっぱい努力したい」と決意を語った。
会見に同席した岡嶋会長は「(再開によって)新救済策の実現に一歩でも近づければ」と被害者救済に期待を見せた。
県は、3月9日で2年間の任期が切れる委員と専門委員の計18人に再任を要請している。岡嶋会長は自身について、「受けるよう返事している」と明かし、再任を受ける意向を示した。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kumamoto/news/20090216-OYT8T00153.htm