世界最大級の巨大ハマサンゴ(愛称・千年サンゴ)が生息する徳島県牟岐町の牟岐大島周辺に、サンゴの外敵・オニヒトデがいるとの目撃情報が相次ぎ、千年サンゴをシンボルに町おこしに取り組んでいる地元の市民団体「牟岐千年サンゴの発掘隊」が15日、実態調査。
地元ダイバーらが潜ったところ、オニヒトデが大発生している可能性が高いことがわかった。同団体は3月から、本格的な駆除作業を始めることを決めた。
牟岐町の貝の資料館・モラスコむぎによると、漁師らによるオニヒトデの目撃情報は2008年2月頃から急増。原因を「温暖化の影響で冬場の海水温が下がりにくく、オニヒトデが冬を越しやすくなった」と分析している。
町内では、千年サンゴをシンボルにした町おこしを進めようと、漁師や他の町民らが昨年4月に同隊を結成し、千年サンゴをテーマにした絵本づくりなどを進めている。サンゴを食べるオニヒトデが増え続け、千年サンゴや周辺のサンゴが被害に遭うのを警戒し、実態調査を行うことにした。
調査では、地元ダイバーら8人が千年サンゴの西側のダイビングポイントに潜り、約15分間で1人当たり平均11・5個を目視で確認した。同10個以上が確認できた場合、その調査ポイント周辺にオニヒトデが大発生している可能性が高いという。
今回のポイントでは、直径20〜30センチのオニヒトデが多く、3年以上で産卵できるほど成長しているとみられるため、同隊は作業計画を練って3月から駆除することにした。
モラスコむぎの水上雅晴館長は「予想以上にオニヒトデが増えていることが分かった。地元の皆さんと駆除して、なんとか千年サンゴを守りたい」と話している。