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2009年02月16日(月) 16時29分

深海微生物の産業活用を研究中国新聞

 近畿大工学部(東広島市)生物化学工学科の仲宗根薫教授(45)が、深海など過酷な環境にすむ微生物を産業に生かす研究を進めている。微生物が出す特殊な物質を活用し、血中コレステロールを下げる機能性食品や新薬を合成する酵素などの生産を目指す。

 研究中の微生物の1つは約5000メートルの深海にすむ。高圧に耐えるため細胞膜を柔軟に保つ脂質「EPA」を分泌し、EPAには血中コレステロールを下げる効果があるという。海洋研究開発機構、京都大と共同で遺伝子を組み換えてEPAを効率良く作る微生物を開発し、機能性食品の量産につなげる構えだ。

 新薬開発への応用を見込むのが高濃度の塩分を好む微生物。この微生物が出す酵素は水分がわずかでも働くため、水分の少ない有機溶媒で常圧でも新薬を合成できるという。

【写真説明】高濃度の塩分を好む微生物の特性について説明する仲宗根教授

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200902160211.html