2008年10〜12月期の実質国内総生産(GDP)の成長率が大幅に落ち込んだことで、政府は追加的な経済対策の検討を本格化させる方針だ。
与党内では09年度補正予算案の編成を求める声がすでに高まっており、20兆〜30兆円規模が必要という見方も出ている。
政府は08年度第1次、2次補正予算と09年度当初予算案で、75兆円規模の経済対策を実施することを決めている。だが、日本経済を支える輸出の落ち込みや雇用情勢の悪化は予想を上回るスピードで進み、さらなる景気の下支え策が求められている。
財政出動の重要性は、先週末にローマで開かれた先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の共同声明でも合意された。各国は、実体経済の悪化は09年中は続くとして、各国が内需の拡大や雇用創出に向けて財政出動を迅速に行うことなどで合意した。
過去最大の景気対策をまとめた米国をはじめ、各国は相次いで大規模な経済対策を講じているが、利下げなど金融政策の余地が限られる中で、財政出動に頼らざるをえないのが実情だ。
ただ、金融危機の震源地となった米国や、財政状況が悪い日本に加え、景気悪化が急速に進んでいる欧州各国にとって、大規模な財政出動は大きな財政負担を伴う。
欧米では、追加的な財政支出をまかなうために国債が大量発行され、この結果、財政危機に陥りかねないとして、長期金利が上昇しつつある。日本でも、長期金利の上昇で企業の設備投資などの動きが一層、鈍ることになれば、景気回復の足を引っ張る恐れも出ている。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090216-OYT1T00384.htm