【ニューヨーク=池松洋】米政府が求めていた米ゼネラル・モーターズ(GM)と全米自動車労働組合(UAW)の労働条件の改定交渉が14日、決裂した。
複数の米メディアが報じた。GMは、経営再建のために、退職者向け医療保険を切り離して、UAWによる運用に切り替えることにしている。その際、GMが負担する総額200億ドル(約1兆8000億円)に上る基金の拠出方法について合意できなかった。クライスラーも交渉が難航しているという。
GMとクライスラーは17日までに米政府に経営再建計画を提出することになっている。退職者向け医療保険の負担も含めた労働コストの削減は、米政府による資金支援の前提条件だ。
資金繰りに苦しむGMは、交渉の中で、UAWに約束した全額を自社株式で拠出することを提案。これに対して、UAWは、GM株が下落する可能性が高いため拒否した。GMは、期限までに米政府に計画を提出する方針は変えていないが、交渉が決着しなければ、米政府から、計画の練り直しを求められる可能性もある。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090215-OYT1T00955.htm