自民党で16日、国内総生産(GDP)の記録的な下落を受け、景気悪化阻止のため追加経済対策は避けられないとの意見が相次いだ。ただ、策定を表明すれば、野党が「2009年度予算案を出し直すべきだ」と反発するのは避けられない。麻生太郎首相は記者団に「いま、本予算(審議)の真っ最中だ。本予算が上がる前にする話ではない」と、審議に影響しないよう追加対策を自ら“封印”してみせた。
自民党の森喜朗元首相は16日の民放番組で、追加経済対策のための補正予算について「組まざるを得ない。常識的な意見だ」と表明。自民党幹部の1人も「追加対策は必要」と明言し、公明党幹部は「この経済状況なら09年度予算が衆院を通過した段階で追加対策を表明しても理解されるのではないか」との見方を示した。
しかし首相は役員会で、08年度第2次補正予算関連法案、09年度予算案と関連法案を「早急に成立させ、切れ目なくスピーディーに実施するのが最大の景気対策だ」と述べるにとどめた。関係者によると、首相は先週、党執行部にも「09年度補正予算の話はするな」と口外を固く禁じたという。