職を失った非正規労働者らが、家賃の保証会社などから無理やり賃貸住宅の退去を迫られる「追い出し屋」被害が相次いでいることを受け、国土交通省は16日、保証会社の登録制度を盛り込んだ新法制定や、標準契約書の作成などの対策を検討する方針を決めた。
社会資本整備審議会の民間賃貸住宅部会が具体策を議論し、年内にも答申する予定。
賃貸住宅で家賃滞納があった場合、家主は民法などに基づいて契約を解除、訴訟などで明け渡しを求めなければならない。しかし敷金、礼金がない「ゼロゼロ物件」などで、1日でも家賃の支払いが遅れると保証会社が無断で鍵を交換、収入を失ったばかりの入居者を追い出すなど悪質な例が問題化している。
国交省が、昨年暮れから今年1月にかけて業界団体を通じて調べたところ、多くの保証会社の契約書に、無断で部屋への立ち入りや鍵の交換などができるとした条項があることが判明。国交省は違法な契約の可能性が高いとして、業界団体に書面の見直しなどの指導を文書で求めている。