中川昭一財務相兼金融担当相が先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)閉幕後、ろれつが回らず深酒をしたような状態で記者会見した問題をめぐり、河村建夫官房長官は16日午前、中川氏を電話で注意した。野党は更迭を含めた処分を求める方針。経済危機が深刻化する中、麻生太郎首相は厳しい対応を迫られそうだ。
麻生首相は16日朝、河村長官を通じて自己管理に注意するよう指示した。中川氏は国会内で記者団に、G7が開かれたローマに向かう飛行機の中や昼食会では飲酒したものの、会見の直前には飲んでいないと説明。「風邪薬を普通の量より多めに飲んだのが原因。申し訳なく思う」と陳謝した。自らの進退について「首相が判断することだ」と述べた。
民主党の小沢一郎代表は山口県宇部市内で記者団に「閣僚としての責任が問われる」と明言。鳩山由紀夫幹事長は記者団に「国益の損失は計り知れない」と批判した。
自民党の細田博之幹事長は記者団に「国会では普通に答弁しており、問題はない」と述べ、辞任や更迭の必要はないとの認識を示した。一方、森喜朗元首相はTBS番組で「今朝見てびっくりした。非常にお酒の好きな方だから、気を付けなさいと随分申し上げた」と指摘。中川氏を含めた閣僚人事に関し「選考にはいろいろ異議がある」とも述べた。
中川氏は14日、ローマで会見に臨んだが、終始眠そうな様子で、日銀の政策金利を間違えるなどしどろもどろになった。1月に衆院本会議で行った財政演説でも「歳入」を「歳出」と読んだり「渦中」を「うずちゅう」と誤読したりした。