日本郵政は16日、宿泊保養施設「かんぽの宿」の一括譲渡を決めた入札実施に関する全資料と詳細な報告書を総務省に提出した。4日に総務省から法に基づいた提出命令を受け、16日が期限となっていた。
総務省は提出資料の内容を精査し、入札手続きに不正や不備がなかったか分析。資料が不十分と判断すれば、日本郵政への立ち入り検査も検討する。
日本郵政によると、提出資料は、落札したオリックス不動産(東京)をはじめ、入札に参加した27社の応募書類など、これまで相手先企業との守秘義務契約などを理由に公表を控えてきた書類が含まれている。
「関係するすべての資料を洗いざらい」提出したといい、書類は段ボールで17箱に達した。
今回の入札をめぐっては、日本郵政はオリックスに契約の撤回を通告し、オリックス側も了承済み。日本郵政は、社内に設置する弁護士らによる「第三者検討委員会」で、透明性の高い不動産譲渡の在り方を再検討する方針を示している。
かんぽの宿は、法律で2012年9月末までに譲渡または廃止が定められているが、鳩山邦夫総務相は譲渡期間の延長や売却自体の取りやめに言及している。