【モスクワ=槙野健】世界的な金融危機の影響で、ロシアの億万長者の数が1年で半減したことが16日、わかった。
同日発売の露経済誌「フィナンス」によると、長者番付上位400人(2008年末現在)のうち、資産10億ドル(約920億円)を超えたのは49人と前年(101人)の半数以下に激減し、上位10人の総資産額も、前年比66%減の計759億ドル(約6兆9828億円)と大きく落ち込んだ。
ロシアの富豪は石油、金属などの資源会社のオーナーや投資家が上位を占めているが、株価や資源価格が急落したうえ、通貨ルーブルも対ドルで下落し、資産額が大幅に目減りした。前年まで2年連続トップだった新興財閥総帥、オレグ・デリパスカ氏は自社株の価格下落などで400億ドル(約3兆6800億円)から49億ドル(約4508億円)に急減。英サッカーチーム「チェルシー」のオーナー、ロマン・アブラモビッチ氏も約90億ドル(約8280億円)減の139億ドル(約1兆2788億円)だった。
資産額は同誌が株や不動産、配当などの情報を独自に収集、算定した。