【ソウル=前田泰広】韓国の脱北者団体「自由北韓運動連合」(朴相学代表)など2団体は16日、北朝鮮の金正日総書記(67)の誕生日に合わせ、金総書記を批判するビラ2万枚の散布を再開した。
一部には北朝鮮の5000ウォン紙幣計30枚も挟み、巨大風船で北朝鮮に向けて飛ばした。
朴代表は、「(金総書記の)誕生日を祝う行事会場にビラが落ちれば、金体制の誤りを北朝鮮住民により効果的に知らせることができる」と説明している。
韓国統一省は15日、「南北関係に否定的な影響を及ぼす」として、散布の自粛を要請する一方、北朝鮮紙幣を韓国に持ち込むには、「南北交流協力法」に基づき、同省の承認が必要だと指摘していた。聯合ニュースは16日、警察当局が団体関係者らを同法違反容疑で調べる方針だと伝えた。
朴代表は「この法律は北朝鮮が1月30日、一方的に破棄しており、今は存在しない。食料を買うお金を送っているので、法的問題を超越した人道的な問題だ」と反論、今後もビラを散布する方針だ。2団体は昨年12月、南北関係悪化を懸念する与党ハンナラ党の要請で、ビラ散布を中断した。