【ソウル=浅野好春】北朝鮮の朝鮮中央通信は16日、「長距離ミサイル発射準備説を騒ぐのは、我々に対する冒涜(ぼうとく)であり、挑発だ」と題する記事を伝え、「わが国で何が打ち上げられるかは、(諸外国が)見守れば分かるだろう」と、弾道ミサイルを近く発射することを事実上認めた。
北朝鮮が発射を「予告」したのは初めて。
米韓当局は、長距離弾道ミサイル「テポドン2号」(射程4300〜6000キロ)発射準備の動きをとらえていたが、同通信は、「宇宙開発は我々の自主的権利だ」として人工衛星の発射を示唆した。ただ、人工衛星の発射体は弾道ミサイルと同一で、北朝鮮は今回、人工衛星打ち上げの体裁をとりつつ、テポドン2号を発射するとみられる。
北朝鮮がこの時期にミサイルを発射するのは、1月に発足したばかりのオバマ米政権をけん制することで、米国を「米朝直接対話」の場に引きずり出す狙いなどがある可能性が高い。