山口県光市の母子殺害事件で、弁護団への懲戒請求を呼び掛けた現大阪府知事の橋下徹弁護士のテレビ発言をめぐる訴訟の控訴審第1回口頭弁論が16日、広島高裁(広田聡裁判長)であり、知事側は計800万円の賠償を命じた1審判決に「事実誤認がある」と主張。1審を取り消し、弁護団側の訴えを棄却するよう求めた。
橋下知事が控訴理由書の提出期限を延長したことや、理由書を3通に分け、さらに追加で提出すると予告したことについて、広田裁判長が「多忙なのは分かりますが、代理人を立てているのだから提出は可能だったはずでは」と苦言を呈する場面もあった。橋下氏は1審から出廷していない。
次回の4月23日に結審する予定。
広島地裁は昨年10月、「見ている人が一斉に懲戒請求をかけたら、弁護士会としても処分を出さないわけにはいかない」との橋下知事の発言には「合理性がなく、違法性が大きい」と指摘した。