滋賀県の宗教法人「神慈秀明会」からの献金を政治資金収支報告書に記載しなかったとされる問題で、元農相で自民党の岩永峯一衆院議員(67)は16日、国会内で記者会見し、同会側から計6000万円を受け取ったことを認め、「事務所担当者個人の借入金として処理し、関連する政治団体の会費として納めた。裏金とされるのは事実無根だ」と述べた。
岩永氏は「会費は上限なしで認められており違法性はないが、透明性については(問題があり)、今後こうしたことがないよう事務所に指導した」と強調した。
岩永氏によると、2003年8月、選挙資金として同会から3000万円の寄付の話があったが、額が大きいため担当者が無利子で借り入れることで合意。借入金を政治団体の会費として納め、政治資金収支報告書にも記載した。
農相就任直後の05年9月にも同会から3000万円の小切手を受領。同様に担当者の借入金とし、政党支部の党費に充てたという。
6000万円について、同会側の窓口だった担当者が交代するなどしたため07年6月に返還。同会側はいったん受け取ったが、その後、返してきたという。