東京・秋葉原の無差別殺傷事件で凶器として使われた「ダガーナイフ」など、両刃の刃物の所有を禁じる改正銃刀法が今年1月5日に施行されてから1か月間に、全国の警察が回収したのは600本にとどまっていることが警察庁のまとめでわかった。
ダガーナイフは、マニアを中心に全国に数万本が出回っているとみられる。7月5日からは自宅で飾っているだけでも摘発の対象になることから、警察庁は回収への協力を呼びかけている。
所有が禁止されたのは、左右均等の形状の刃物のうち、刃渡り5・5センチ以上のもの。外出時に持ち歩く以外に、自宅に保管しているだけで、3年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象となるが、改正法施行から7月4日までの半年間は摘発が猶予される。
ダガーナイフは人気ゲームに登場したことなどから人気を集め、経済産業省によると、2007年だけでも全国で3487本が販売された。警察庁は刃物店などにポスターを掲示し、回収に協力するよう呼びかけているが、今月4日までに回収できたのは一般から571本、刃物販売業者からは29本にとどまっている。
一方、インターネット上での売買に歯止めがかかる気配はなく、ヤフー・オークションが昨年6月13日にダガーナイフの取引を中止した後も、昨年末までに100件以上の出品があった。ヤフーは専属スタッフを置いて監視し、落札前に出品の書き込みを削除しているが、今年1月5日以降も出品は続いている。警察庁は「事情を知らずに購入しても7月5日以降は摘発対象になる」と警告している。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090216-OYT1T00921.htm