中国地方の国立大5校のうち、広島大を除く4校が来年3月末までに非常勤職員計169人の契約を更新せず、「雇い止め」にすることが分かった。専門性が高く、長期の研究を担う教育機関での一律の「雇い止め」は実態にそぐわない現実があり、見直しの動きも出ている。
最も多いのは、岡山大の103人。雇用期間を「3年以内」とする就業規則に基づき、3月末に46人、2009年度中に57人の非常勤職員の契約更新をしない。業務は「新たに雇用する非常勤職員が引き継ぐ」(人事課)という。
来年3月までに13人の「雇い止め」を計画する島根大は契約期間を「3年以内」としながら、長期の研究計画や仕事の専門性により延長を認めている。山口大は同時期までに2人の契約更新をやめるが、非常勤職員約750人の大半に上限を設けていない。
さらに、昨秋からの景気悪化による雇用不安に配慮する大学が出てきた。契約期間が「5年以内」の鳥取大。来年3月までに契約期限を迎える計51人について、人事課は「社会情勢をかんがみ、特別な取り扱いを検討中」としている。