同僚からわいせつ行為を受けたなどとして、北海道の航空自衛隊に所属する女性自衛官(22)が国に損害賠償を求めた訴訟で、原告の代理人弁護士が16日、記者会見し「女性が事実上の解雇通知を受けた」と明らかにした。
弁護士によると、女性は任期制隊員の空士長。2007年5月、札幌地裁に提訴した後も勤務を続けていたが、今年1月30日、2年の任期が切れる3月22日以降は任用しない、と通知を受けたという。
弁護士は「自衛隊を相手にした訴訟が理由なら裁判を受ける権利への侵害だ」と批判。「法的手続きも含めて検討する」としている。
空自は「そうした内示があったのは事実だが、(取材に)お答えできる段階ではない」とコメントした。
訴状などによると、女性は06年9月、夜勤中の男性自衛官に呼び出され、施設内で暴行やわいせつ行為を受けた。上司に相談したが、男性を異動させるなどの措置をとらず、07年2月には逆に退職を迫られ、理不尽な扱いを受けた。
空自千歳地方警務隊は同年5月、強制わいせつ容疑で男性を札幌地検に書類送検したが、不起訴処分になった。