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2009年02月16日(月) 00時00分

原爆症認定へ新たな訴訟中国新聞

 原爆症の申請をしながらも審査待ちが続く問題で、近畿地方の被爆者が来月、裁判所の命令によって厚生労働省に速やかな審査と認定を義務付けるための新たな訴訟を起こす。15日、東京都内であった原爆症認定集団訴訟の連絡会議で近畿弁護団が明らかにした。

 行政事件訴訟法に基づく義務付け訴訟。裁判所自らが原爆症に当たるかどうかを審理し、認定が妥当と判断すれば、長期間審査しない厚労省に対し直ちに認定するよう命令することになる。大阪、兵庫、三重の3府県の被爆者約10人が各地裁へ提起する準備を進めているという。

 昨年4月に認定の基準が緩和され審査待ちは約8000件に上る。12月以降、広島など全国で約200人が早期の審査を求めて厚労省に不服申し立てをしたが大半の回答は「審査の順番を待っている」との文言だった。一連の集団訴訟は却下処分が出なければ争えず、現状を打開することにした。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200902160011.html