職員会議で挙手などによる採決を禁じた東京都教育委員会の通知に対し、撤回を求めている都立三鷹高校の土肥信雄校長(60)が、定年退職後も非常勤教員として学校現場に残れるよう希望したものの、採用選考で不合格となっていたことが16日、分かった。
土肥校長は「通知の撤回要求が不合格の理由なら納得できない」とし、都教委に不合格の取り消しを求めて4月にも提訴する考えだ。
2008年度末で定年退職する土肥校長は、採用選考の面接で「教育相談を通じて生徒と接していたい」と希望を伝えた。面接官からは、撤回要求の姿勢などに対する質問はなかったという。
土肥校長は現在も通知の撤回を求めているが、通知内容には従っているとし「これまで処分を受けたことはないし、批判をされることもなかった。裁判で不合格となった理由をはっきりさせたい」と話している。
都教委は06年、職員会議が実質的な議決機関とならないよう教職員の挙手や採決での意向確認を通知で禁止した。これに対し、土肥校長らが「教員の意見が反映されず、現場が活性化しなくなる」などと反発していた。