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2009年02月16日(月) 12時02分

家族5人の殺傷認める 東京地裁初公判、心中図った社長東京新聞

 東京都文京区の自宅で昨年3月、無理心中を図って家族5人を殺傷したとして、殺人と殺人未遂罪に問われた製本会社社長、江成征男被告(43)は16日、東京地裁(高橋徹裁判長)の初公判で「すべて間違いない。人間として未熟だった」と起訴状の内容を認めた。

 弁護側は「当時の被告はうつ病による心神喪失状態で無罪か、心神耗弱で刑を軽くするべきだ」と述べ、責任能力について争う姿勢を示した。

 検察側は精神鑑定の結果、中等度のうつ病だが刑事責任能力はあると判断。弁護側は再鑑定を求めていた。

 検察側は冒頭陳述で「得意先の相次ぐ移転、廃業による経営環境悪化に加え、自宅近くにマンション新築が予定され騒音への苦情が増えると考えて将来を悲観した」と指摘、経緯を詳述した。

 起訴状では、江成被告は昨年3月27日午後11時半ごろから、同居していた両親と妻=当時(37)=の胸や背中を包丁で刺して殺害。長男=同(8)=と次男=同(4)=も刺し殺そうとして大けがを負わせた、としている。

 江成被告は事件直後、自分の胸などを包丁で刺して負傷。長女は逃げ出して隣家に助けを求めて無事だった。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009021601000175.html