不況とともに、深刻化する「追い出し屋」問題。背景には家主と入居者双方の事情から、保証会社が幅を利かせている現実がある。
大阪市淀川区の無職男性(49)は昨年十二月、ワンルームのアパートに戻って目を疑った。たんすやテレビだけでなく、トイレットペーパーまでなくなっていた。
「締め出しは覚悟していたが、まさか全部持って行くとは…」
二週間前、家賃五万七千円を滞納したところ、保証会社から電話で一方的に退去通告を受けた。管理会社に訴えたが「保証会社に任せてある」の一点張り。約四十日間、カプセルホテル暮らしを余儀なくされた。
身寄りがなく、入居時に不動産会社から保証会社を紹介された。「困ったときに助けてくれると思ったのに」と憤る。
アパートは敷金・礼金のいらない「ゼロゼロ物件」。入居時の負担を減らしたい借り手と、入居者を確保したい家主の思惑が一致し、近年増えている契約形態だ。
だが家賃の滞納率は通常物件より高く、家主が回収を保証会社に頼るケースも。保証会社には不況が続く不動産業、規制が厳しくなった消費者金融などから派生する業者が多いという。
「賃貸住宅追い出し屋対策会議」の