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2009年02月15日(日) 15時57分

領土交渉進展へ期待 日ロ首脳18日に会談中国新聞

 麻生太郎首相は十八日、ロシア・サハリンを現職首相として初めて訪れ、液化天然ガス(LNG)の対日輸出記念式典に出席し、メドベージェフ大統領との首脳会談に臨む。

 日ロ間最大の懸案である北方領土問題について、今後の交渉進展につながるきっかけをつかみたい考えだが、ロシア側の対応を測りかねているのが実情で、具体的な成果は見通せていない

 領土問題では、大統領も昨年十一月にペルーで行われた首相との初会談で「解決を次世代に委ねることは考えていない」と自らの手で決着させる決意を表明。一月二十四日の電話首脳会談でも「二国間すべての問題について話し合いたい」と強調した。

 ロシアは天然ガスの輸出停止問題などで欧州連合(EU)加盟各国との関係がぎくしゃくしているだけに、大統領の発言にはアジアの主要国である日本との関係強化を図りたいとの思惑も透けて見える。

 それだけに日本政府内には、今回の会談を好機ととらえ「交渉本格化の弾みとなる、さらに踏み込んだ表現」(外務省筋)を期待する声が少なくない。首相は会談で「日ロ両国はアジア太平洋地域の重要なパートナー」として協力強化の必要性を訴え、ロシア側が具体化を求めている東シベリア共同開発など経済分野での連携にも前向きな姿勢を示すことで、領土問題での譲歩を引き出したい考えだ。

 ただ領土問題に関しては依然プーチン首相の影響力が強大とされ、「今年の早い時期」で調整中のプーチン氏来日に向けた「環境整備に徹するべきだ」(政府筋)との指摘もある。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902150191.html