国土交通省の検討会は十五日までに、過労運転などの問題が指摘されている貸し切りバス事業者の格付け制度の内容を固めた。同省が選ぶ民間の第三者機関が二十八項目の安全対策を審査し、合格した優良事業者を認定、インターネットで公表する。
二〇〇九年度中にも制度の運用を開始。旅行会社や一般の利用客が事業者を選ぶ目安にしてもらうことで、事業者の安全対策強化につなげる。
審査対象は「運転手への救急救命講習」「事故の状況を記録するドライブレコーダーの車両搭載」の有無など運行管理面での取り組みが十六項目。「事故や災害時の社内の連絡体制」など組織管理が十項目、事故や交通違反の状況が二項目。多くが法令で義務付けられていない安全対策で、項目ごとの採点方法は今後詰める。
貸し切りバス業界は二〇〇〇年に参入が事実上自由化され、事業者数は〇七年度末で約四千百社と一九九九年度末からほぼ倍増し、競争が激化。〇七年二月には大阪府吹田市で、スキーバスの運転手が過労による居眠り運転で事故を起こし乗客ら二十七人が死傷した。
国交省の検討会はバス事業者や消費者団体の代表らで構成、〇七年九月から格付け制度について議論していた。