14日午前2時半ごろ、東京都杉並区阿佐谷北の空き家から出火、木造平屋約70平方メートルを全焼した。この空き家は、アニメ「となりのトトロ」の宮崎駿監督が著書で紹介。以来、「トトロの家」として親しまれていた。
杉並区によると、トトロの家は施錠されているが、建物内には侵入を関知するセンサーが備え付けてあり、出火した同日午前2時すぎに、センサーの反応があったという。現場には消防車16台が出動、約1時間半後に消し止め、けが人もいなかった。
現場に火の気はないことなどから、警視庁杉並署は何者かが侵入して放火した疑いもあるとみて出火原因を調べている。トトロの家の向かいに住む男性によると「(13日夜は)春一番が吹いたので風がとても強かった。周りの木に燃え移り、火がなかなか消えなかった」という。
東京消防庁によると、現場周辺では今年1月3、4、6日に、公園内で雑誌や枯れ葉が燃えたり、ゴミ置き場の看板が燃えるなど、10件の不審火があったという。
また、近隣住民によると、1月上旬にはトトロの家から約100メートル離れた公園内で、ぼや騒ぎが発生。竹の棒にマッチで火をつけた跡があったという。このため、消防や町内会では周辺のパトロールを強化していたが、数日前に消防からパトロールを解除するとの連絡が入っていたという。
杉並区によると、建物は洋風の建築様式で昭和初期に建てられた。宮崎監督が、著書「トトロの住む家」の中で「トトロが喜んで住みそうな懐かしい家」として紹介。同区は建物や周辺を公園として整備し2010年度に開園する予定だった。同区の担当者は「杉並の文化を今に伝える貴重な建物だった」と話している。
(2009年2月15日06時02分 スポーツ報知)
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