第2次大戦中、浜田港から軍に徴用されて戦地に赴き、ほぼ全滅した漁船団の写真などのパネル資料展が14日、浜田市原井町のサンマリン浜田で始まった。市史にほとんど記録がない史実を同市熱田町の介護タクシー業川上譲治さん(58)が取材し、資料を掘り起こした。15日まで。
展示されたのは、徴用された船や見送り風景、戦前の港の写真のほか、戦没船を記録する会(東京)から貸与された全国の徴用船の記録などのパネル計40枚。20—30トンの底引き網漁船十数隻と船員60人以上が対象となった1943年2月の徴用は、判明した船名、船主、南洋への航路を地図や表にまとめた。
会場には遺族も多数訪れ、中には徴用先の南太平洋のラバウル基地で撮影した船員の写真など貴重な資料を持参する人もいた。
資料展は21、22日には熱田町の長浜公民館でも開く。
【写真説明】徴用船見送り風景の写真などが並ぶ会場