「輪ゴムの切れ端が商品に混入した」と偽り、ケーキ店などから返金名目で金をだまし取ったとして、奈良西署が住居不定、無職小原篤被告(49)を詐欺容疑で逮捕し、地検に起訴されていることがわかった。
同署の調べに「食品の異物混入騒ぎに便乗した。輪ゴムならパック詰めなどでよく使うのでだましやすいと思いついた」と言い、逮捕された昨年11月までの約1年間に、近畿、四国、九州のスーパーなどで約300件の犯行を繰り返したと自供している。
発表によると、小原被告は昨年11月27日、奈良市内のケーキ店で経営者(51)にショーケース内のケーキを指さし、ティッシュで包んだ輪ゴムの切れ端(約1〜2センチ)数片を見せて、「購入したこのケーキの中に輪ゴムが入っていたので返金して」とうそをつき、1800円をだまし取った疑いで逮捕された。
同署幹部によると、小原被告は狙いをつける商品を5000円以内に設定。スーパーの食品売り場や和菓子店などで、「レシートは捨てた」「返金さえしてくれたら、それでいい」などと言い、一日に10店でだまし取ったこともあったという。
被害に遭った店では、「輪ゴムならどこかで入ってしまったかも……と信じた」「入るわけがないと思ったが、二、三千円で済むなら」などと応じていた。
小原被告は、ビジネスホテルを転々としながら、電車で西日本各地を移動。逮捕された当日はケーキ店での犯行直後、数百メートル離れた弁当店に入店。不審に思って尾行したケーキ店経営者からの通報がきっかけで逮捕された。小原被告は「普段ならもっと離れた店を選ぶのに、これまで捕まらなかったので、油断した」などと話していたという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090214-OYT1T00600.htm