現代詩の新人登竜門とされる中原中也賞の選考会が14日、山口市内の旅館であり、芥川賞作家で東京在住の川上未映子さん(32)の詩集「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」が選ばれた。中也の誕生日の4月29日、同市内のホテルで贈呈式がある。
昨年1月に出版した川上さんの初詩集。「少女はおしっこの不安を爆破、心はあせるわ」「告白室の保存」など7編を収録する。女性の体や思いについて関西弁を交えながら、リズミカルな言葉で展開している。
選考委員代表で詩人の北川透・梅光学院大特任教授は「やわらかく、かつ力強い語り口で散文的に見えるが、従来の詩にない新しさを感じた」と講評した。中也賞は山口市の主催。公募と推薦合わせて184冊の中から、選考委員6人が審査した。
【写真説明】中原中也賞に選ばれた川上さん