被爆地の復興の記憶をとどめてきた広島市南区京橋町の市営住宅・店舗「京橋会館」をめぐり、解体して複合ビルへ建て替える市街地再開発事業が夏にも再び動きだす。建築資材の高騰を背景に引き受ける民間業者がなく、取り壊しが先延ばしされてきた。国と市の補助で民間業者の負担を軽減する手法へ見直し、業者選びに入る。
市によると老朽化した会館を取り壊し、隣接の広場を合わせた計2070平方メートルに高齢者向け住宅や福祉関連施設などの複合ビルを建設。住宅部分の30戸程度を市営住宅として買い取る。完成は2013年度を目指す。
業者選定にあたっては、市街地の良好な住宅供給などを対象とする国の補助制度を活用し、調査設計費と土地整備費、階段や廊下など共同施設の整備費を国と市が3分の1ずつ負担する。
【写真説明】広島市が再開発の民間事業者選びを再開する京橋会館。老朽化が進んでいる