政府が2008年度内の支給を目指している総額2兆円規模の定額給付金について、3月末までに「支給開始可能」とした市区町村が全体の2割にとどまっていることが、読売新聞の調べで分かった。
申請書の発送や口座の確認、住所不特定者の対策など作業量が膨大となるためで、6月までずれ込むとの見通しの自治体もあり、政府の目標は、破綻(はたん)していることが浮き彫りになった。
給付金支給は、財源を確保するための08年度第2次補正予算関連法案が国会で成立後に可能となる。民主党は、参院での法案採決を20日以降に先送りする方針で、与党が衆院で再可決できるのはそれ以後になる見通し。
調査は、全1804市区町村を対象に聞き取りするなどし、1324市区町村分について準備状況などが判明した。
年度内の支給開始が可能としたのは、東京都中野区、長野県松本市など290自治体で、人口規模の小さい町村が多くを占める。しかし、「何とかして3月31日に1回目の振り込みをしたい」(福井県永平寺町)とするなど、支給の大半は4月以降となるとみられる。
一方、年度内は困難とした自治体のうち、支給開始時期を「4月」としたのは157自治体と最も多く、次いで「4月以降」(44自治体)、「5月」(28自治体)などと続いた。
最も早い支給開始の見通しを示したのは岐阜県坂祝(さかほぎ)町の「3月14日」で、最も遅いのは、埼玉県和光市、神奈川県藤沢市の「6月」。
道府県庁所在地の市で年度内支給を目指すのは青森、長野、福井、神戸、松江の5市だけ。名古屋、岡山など32市が困難とした。
◆最高で割増率67%の特典付き商品券企画も◆
定額給付金の支給に関する今回の本紙調査では、278市区町村の商工関係団体などが、地元で使える「プレミアム(割増金)付き商品券」の発行を決めたり、検討したりしていることもわかった。
割増率の多くは10〜20%で、最高は福井県池田町の67%。市区町村の多くが商品券発行に補助金を出しており、都道府県でも、福岡が1億5000万円を補助する方針を打ち出している。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090215-OYT1T00021.htm