【ローマ15日共同】ローマ法王庁(バチカン)は15日、イタリアの科学者で天文学の父とされるガリレオ・ガリレイ(1564−1642年)をたたえるミサを死後367年たって初めて、ローマのサンタマリアデリアンジェリ教会で行った。
ガリレオについて、バチカンは17世紀、地動説が聖書に反するとして宗教裁判で有罪としたが、法王ベネディクト16世が昨年12月、初めて地動説を公式に認めるなど現在はその業績を認めており、ミサは「名誉回復」の象徴といえそうだ。
ミサを執り行ったバチカン文化評議会のラバジ議長(文化相に相当、大司教)は「ガリレオは現代科学の父であり、神聖な人だ。彼の名誉は回復された」と強調した。
ガリレオは望遠鏡を製作し、木星の衛星や月の海を発見。その観測を基にコペルニクスによる地動説を支持したため、宗教裁判によって晩年軟禁生活を送った。死後も名誉は回復されず、カトリック教徒として葬られることも許されなかった。