1年前に閉店した国立市の絵本・児童書専門店「ペンギンハウス」で働いていた女性たちが、本社のリストラ方針で解雇された後も、同店で行っていた読み聞かせや新刊紹介を続けている。活動する上で、“ライバル”だったオリオン書房(立川市)が協力してくれている。女性たちは「店はなくなったが、大好きな絵本業界の活性化に役立ちたい」と話している。
ペンギンハウスは1997年2月、新宿区にある書店が国立市東にオープンさせた。角地を生かした明るい店内で若いファンを取り込み、絵本のほか、木のおもちゃの販売にも力を入れた。しかし、昨年2月24日、一般書を扱っていた他地域の支店とともに閉店した。
突然の閉店を惜しむ常連客の声も受け、元パートの主婦ら5人が昨年4月、「とことこペンギン隊」というグループを結成。同店のイベントとして行っていた幼児への読み聞かせや、大人向けの新刊紹介を復活させることにした。
紹介する絵本も活動場所もなかったため、店長だった飯田有美さん(40)が立川市のオリオン書房に相談。幼児向けのお話し会がなかったことなどから同社は快諾し、翌5月から同市曙町2のノルテ店で、定期的な活動が始まった。
イベントは、0歳〜3歳児対象の読み聞かせ「ぷちプチおはなし会」が月3回、大人向けに新刊絵本を紹介する「はじめましての絵本たち」は今月から、月2回に増やした。
育児サークルなどの依頼を受けて出張する時も、同店の本を借り受けており、飯田さんは「営業していた時期は競合する存在だったのに、オリオンさんの懐の深さに感謝している」と話している。
ペンギンハウスに通っていた東村山市富士見町、小林麻紀さん(50)は「店との別れは本当にショックだったが、活動が復活したのを見て、すごいなあと思っている」と喜ぶ。
おはなし会は毎月10日、20日、30日で参加費は無料。新刊紹介は毎月第2月曜とその直前の金曜の開催で、3月は6日と9日に行われる。飲み物付きで500円。
問い合わせは、オリオン書房ノルテ店((電)042・522・1231)へ。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20090214-OYT8T01120.htm