東大和市の市民有志が、同市の財政状況についてまとめた白書「まちの財政を解りたい」を出版した。街の歴史や産業についても触れられており、関係者は「財政を通じて、自分たちの街に興味を持ってもらえれば」と話している。
出版したのは「東大和まちの財政をまなぶ会」。「東大和ってどんなところ?」「市財政の全体像」など4部に分け、同市の財政状況について他市と比較しながら解説している。同様の白書作りは多摩地区で盛んだが、江戸末期から現在までの歴史に触れたのが特徴。表やグラフも多用し、難しい財政用語については巻末に解説を付けた。
市財政の悪化を耳にした市民約10人が2000年、「市の財政を考える市民の会」を組織し、定期的に学習会を開いてきた。昨年3月には同会メンバーが、同市内で開かれた地方自治の勉強会「三多摩自治体学校」(多摩住民自治研究所主催)で発表。これを契機に、白書の出版を目指す「まなぶ会」を新たに結成した。
白書によると、同市は基金残高が底をつき、厳しい財政状況に陥っているという。また、人口1人あたりの教育費は多摩地区26市中23位(06年度)、人口1人あたりの中学校費は同最下位(06年度)と、低迷している。まなぶ会世話人代表の尾松伸正さん(67)は「子どもは将来の希望。こんな状態で良いのかと疑問に感じる」と危機感を募らせている。
発行部数は800冊。A4判100ページ。800円。購入の問い合わせは尾松さん((電)042・565・8715)へ。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20090214-OYT8T01125.htm