熊本県は15日、2007年7月以来、休止状態だった水俣病の認定審査会(会長・岡嶋透大分医科大名誉教授)を約1年7カ月ぶりに再開。申請者50人について認定基準に基づく水俣病患者かどうかを審査した。
審査会には医師の委員10人が出席。50人はいずれも、国の認定基準よりも幅広く被害を認めた04年の関西訴訟最高裁判決後に申請した。審査内容は明らかにされていないが、最終的に知事が結果を決めるには約1カ月かかる見通し。
ただ認定基準が変わっていないため、審査会が再開されても申請者からは「多くの人が棄却されるのではないか」との不安が出ている。
最高裁判決により申請者は急増したが、司法と行政の基準が異なったことから、委員が再任を拒否するなどして断続的に休止が続き、未審査の申請者が熊本県だけで約3800人に膨れ上がった。