事業への投資名目で知人の女性から数百万円をだまし取ったとして、宮崎北署は13日、住所不定、無職斉藤佐知子容疑者(52)を詐欺容疑で逮捕した。
斉藤容疑者を巡っては消費者金融との契約で名義を貸した県内の20歳代の男女らが多額の借金返済を迫られるトラブルが続発。相談を受けた弁護士によると、被害者は100人以上、被害総額は1億5000万円以上になる見通しという。
斉藤容疑者はこうした事案への関与をほぼ認めており、同署は余罪を追及する。
発表によると、斉藤容疑者は1月上旬、健康器具販売会社の経営者を装い、宮崎市大塚町の無職女性(61)から数百万円をだまし取った疑い。容疑を認めているという。車などに寝泊まりしていたが、12日夜に「もう逃げ切れない」として、宮崎北署へ出頭した。
名義貸しの被害については、相談を受けた弁護士が宮崎市の20歳代を中心に確認している。2004年ごろから昨年までの間、斉藤容疑者が「事業に金がいる。借りた金の1割を支払う」と知人らを通じて持ちかけ、複数の消費者金融と契約してカードの作成を依頼。それぞれの名義で3〜6社から100万〜約250万円を借りさせ、実際に約1割の礼金も渡していたという。
宮崎市の男性会社員(21)は2007年8月、先輩から「簡単にお金がもらえる」と誘われ、名義貸しを勧められた。男性は斉藤容疑者と一緒に消費者金融に出向き、作ったカードを渡した。大手の消費者金融5社から計約140万円を借金し、男性は約14万円を受け取ったという。
1度、返済請求はあったが、斉藤容疑者がすぐに支払った。しかし、今年1月10日になり、斉藤容疑者から「しばらく宮崎を離れるので、その間は自分で払ってほしい。後で払うから」と言われてカードを返されたという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090214-OYT1T00604.htm