病気の妻に頼まれ、殺害したとして、嘱託殺人罪に問われた高知県香美市土佐山田町、無職前田圭司被告(73)の初公判が13日、地裁(伊藤寿裁判官)であり、前田被告は起訴事実を認めた。
検察側は「いかなる事情があっても人一人の命が奪われた結果は重大」として懲役3年を求刑、即日結審した。判決は27日。
検察側は冒頭陳述で、前田被告は、神経症に悩んでいた妻が約2年前から死にたいと繰り返すのを見かね、心中を決意したが失敗し、「自分の手で死なせてあげないといけない」と考え始めたと主張。2008年11月15日頃、妻から「もう最後にして。楽にして」と頼まれ、ロープで首を絞めて殺害したと指摘した。
弁護側の被告人質問で、前田被告は「今考えると、もっと人に相談し、できることがあった。許される時間があれば、妻の冥福を祈りたい」と話し、弁護側は「再犯の恐れはなく、社会内で更生させるべき」と執行猶予付きの判決を求めた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090214-OYT1T00599.htm