岩永峯一元農相(67)=衆院滋賀4区=が宗教法人からの献金6000万円を政治資金収支報告書に記載していなかった問題で、滋賀県警が宗教法人の関係先から、岩永氏の長男名義で額面3000万円の借用証の写しを入手していたことが14日、分かった。
宗教法人は滋賀県甲賀市の「神慈秀明会」。献金は岩永氏の政治団体に直接渡っていることから、県警は献金を隠す目的で架空の借用証をつくった疑いもあるとみて、経緯を慎重に調べている。
捜査関係者によると、借用証は昨年5月に立件した旧信楽町(現甲賀市)の町有林売却をめぐる汚職事件の捜査過程で、同会の関係先から見つかった。
当時岩永氏の秘書だった長男(40)が同会から借りたとの内容。県警が金の動きを調べたが、長男側への入金は確認されなかったという。
同会は2003年と05年、3000万円ずつに分けて、岩永氏が代表の「自民党滋賀県第4選挙区支部」に小切手で寄付。同支部から領収書を受け取ったと説明している。