景気悪化が進む中、今春闘で連合などが要求するベースアップ(ベア)について、経営側の66・2%が「実施しない予定」としていることが14日、民間調査機関の労務行政研究所(東京)の労使関係者らへのアンケートで分かった。
ベアを実施しない予定と答えた経営側は前年に比べ28・3ポイント増加した。労働側は64・0%が「実施すべきだ」と答えたが、前年比で7・2ポイント減少しており、研究所は「要求する労働側も厳しい見方をしている現状の表れだ」と分析している。
アンケートは昨年12月上旬から今年1月中旬、東証1、2部上場企業の労使と学識経験者約4600人を対象に実施し、444人から回答を得た。
それによると、賃上げ額は平均で5113円(定期昇給分を含む)と予測、昨年の予測額を1252円下回った。賃上げ前の平均賃金に対する上昇率の予想は、労働側が1・7%、経営側と学識経験者が1・6%で、一般的な定期昇給分とされる上昇率(1・6−1・8%)の範囲内だった。