米東部ニュージャージー州ニューアークを出発したコンチネンタル航空3407便が12日午後10時20分(日本時間13日午後零時20分)ごろ、目的地のニューヨーク州バファロー近郊の住宅街に墜落した。乗員乗客49人全員と地上にいた住民1人の計50人が死亡した。犠牲者の中には2001年9月の米同時多発テロ事件で夫を亡くした女性も含まれていた。事故機に日本人が搭乗していたとの情報はない。
「ハドソン川の奇跡」でわいたニューヨークに2度目の奇跡は訪れなかった。
ニュージャージー州ニューアーク空港からニューヨーク(NY)州バファロー・ナイアガラ国際空港へ向かっていた双発プロペラのボンバルディア機が深夜、バファロー空港の手前約11キロにあるの住宅街「クラレンスセンター」に墜落。乗客44人と非番の1人を含む乗員5人、さらに地上の民家にいて巻き込まれた1人の計50人が死亡した。
犠牲者の中には2001年9月のNYで起きた米同時多発テロ事件の遺族も含まれていた。
現地紙によれば、事故機に搭乗していたのはビバリー・エッカートさんで、「9・11」で亡くなったショーン・ルーニーさんの夫人。夫の58回目の誕生日を記念し、夫の出身地のバファローに向かう途中に事故に遭遇した。現地の高校で夫の死をきっかけに設立した奨学金の関連式典に出席する予定だった。
夫婦ともども飛行機事故で命を落とすという悲劇に、エッカートさんの遺族は「彼女は天国で夫と再会できた」と話しているという。
事故当時は雪と霧などで視界が悪かった。墜落後、機体や住宅は猛火に包まれ、12世帯が避難した。専門家の間では機体への着氷が事故原因との見方も出ている。
今回の事故機、ボンバルディアDHC8—Q400は、過去に国内外でトラブルが多数報告されるなど「いわくつき」の機体だった。オバマ米大統領は13日、声明を発表し「痛ましい事故に接し、ミシェル(夫人)とわたしは深い悲しみに包まれている」と犠牲者の遺族に哀悼の意を表した。
◆ボンバルディア ボーイング、エアバスに次ぐ世界3位の航空機メーカーで、カナダのモントリオールに本社を置く。双発プロペラ旅客機DHC8—Q400や小型ジェット機CRJシリーズを生産し、DHC8—Q400はジェット機並みのスピードと燃費の良さが売りだが、07年9月にドイツ・ミュンヘン空港で胴体着陸したほか、デンマークでは着陸の際、主脚が折れ曲がり滑走路を逸脱する事故があった。また、日本国内でも07年3月13日に高知空港で前輪が出なくなり胴体着陸、機首が破損する事故があるなど、トラブルが続発している。
(2009年2月14日06時02分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090213-OHT1T00297.htm