キヤノン関連施設工事をめぐる脱税事件で、工事の受注を狙った大手ゼネコン鹿島が大分市のコンサルタント会社「
大型工事受注の際、コンサルタント会社に渡す手数料は通常、受注額の1—2%程度とされており、鹿島は「相場」の二倍を超える要求にも対応しようと裏金の
関係者によると、大賀容疑者は鹿島に対し「手数料を出してくれたら、キヤノン関連工事を受注できるようにする」などと持ち掛けていたが、その際、受注額の3—5%の手数料を求めたことがあったという。
大型工事受注の際の仲介手数料は通常1—2%で、経費として認められるのは最大3%程度(複数のゼネコン関係者)とされる。
このため鹿島は、正規の手続きで準備できる手数料を超える分については、複数の下請け業者に水増し発注し、上乗せ分を還流させるなどの方法で捻出した裏金で賄うようになったという。
こうしてつくられた裏金は、手数料名目以外にも大賀容疑者に提供。鹿島大分営業所(大分市)には、約一千万円の現金が保管されていたこともあり、大賀容疑者から要求があればすぐに応じられるよう備えた裏金だったとみられる。
大賀容疑者は約九億七千万円を隠し、二億九千万円余を脱税した疑いで逮捕されたが、「裏金の授受はなく、手数料は税務申告した」と容疑を否認しているという。