【ワシントン14日共同=川北省吾】オバマ米政権が二十七—二十八日の日程で、新政権下で初となる中国との国防政策対話を北京で開催することが、十四日分かった。米国防総省当局者が明らかにした。ブッシュ前政権下で昨年十月から凍結状態となっていた対話を再開、二十日からのクリントン国務長官の訪中を踏まえ、国防総省としても外交当局と二人三脚で対中関係進展を目指す。軍事協力の拡大や東アジアと世界の安全保障上の課題への共同対処などが主な議題となる。
米中間の国防政策対話や軍事交流は、ブッシュ前政権が昨年十月、台湾への最新兵器売却計画を議会に通告したことに中国が反発、足踏み状態となっていた。
国防総省当局者によると、この政策対話は米中が年一回のペースで開いてきた国防政策調整協議(DPCT)。米側からはセドニー国防次官補代理(東アジア担当)らが出席、人民解放軍高官らと協議する。
同当局者は「われわれは中国への関与を継続し、前向きで協力的な関係を追求する」と述べた。
米側が想定する新たな協力分野には言及しなかったが、中国は昨年二月、米海軍との対テロ合同訓練実施を打診、双方が具体化作業に入っていたことから、対テロ協力拡大などを念頭に置いている可能性がある。
米軍は軍事交流凍結中の昨年末、海賊被害が相次ぐソマリア沖への艦船派遣を検討していた中国に関連情報を提供したことがある。海賊対策など国際社会全体の利益につながる分野も検討対象になりそうだ。