【ローマ14日共同=北沢彰】ローマで開かれている先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は十四日、減税を含めた財政出動を各国が一斉に実施することを盛り込んだ共同声明を採択、閉幕する。国内需要の拡大や雇用創出のため政策を総動員、世界不況からの脱却を目指す。経済悪化を加速しかねないとして保護主義的な動きに警鐘を発する。
公的資金を使った金融機関への資本注入に加え、将来の損失拡大を防ぐため不良資産の切り離しなど「あらゆる追加的な措置」を活用する決意も表明。オバマ米政権が具体化を急いでいる追加金融対策を後押しする姿勢を示す。
金融機関の監督や証券化商品の規制強化などと合わせ、四月に英国で開く二回目の二十カ国・地域(G20)首脳会合に向けて議論を続ける方針だ。
財政出動では「弱者支援」や成長力強化につながる公共事業など、具体的な使途にも言及する見通し。同時に、歳出拡大は原則として時限的な措置とするよう要請、「中期的な財政の持続可能性」にも配慮する。
巨額の景気対策を打ち出した中国の決断を歓迎する一方で、人民元相場の継続的な上昇も要求。為替相場の「過度な変動」を懸念、市場を注視していく姿勢を維持する。
世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の早期妥結を目指す意思を再確認。資金不足に苦しむ途上国支援を強化するため国際通貨基金(IMF)などの機能拡充の必要性も指摘する。