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2009年02月14日(土) 00時00分

「更年期」 まず婦人科へ読売新聞


通常より人数を増やして電話相談を受けるメノポーズを考える会のメンバー。ひっきりなしに電話がかかる(東京都内で)
読売新聞紹介の相談窓口に電話相次ぐ

 くらし学び面「健康プラス」のコーナーで、1月21〜24日に「いきいき更年期」をテーマに掲載したところ、電話相談窓口として紹介したNPO法人メノポーズを考える会(東京)に、全国から300件を超える相談が寄せられた。更年期症状の治療法や医療機関の受診についての質問が多く、症状に一人で悩んでいる人も多いことがうかがえた。

 毎週火、木曜に開設されているメノポーズを考える会の相談窓口には、記事掲載後、更年期女性からの電話が相次いだ。「のぼせやしっしん、頭痛がある。夫やしゅうとめからは、だらだらしているからだと言われていたが、記事のおかげで更年期のことを分かってもらえそう」「更年期の症状があって家事ができず、情けない。治療法があると知ってよかった。病院を紹介してほしい」

 更年期は閉経前後の40歳代半ばから50歳代半ばの時期。卵巣機能の低下に伴い、急激に女性ホルモンが減少し、様々な不調が表れることが多い。体がほてり汗が噴き出す「ホットフラッシュ」や、粘膜の乾燥、手足のしびれ、気分のゆううつなど、人によって症状の種類や重さが異なる。

 症状ごとに皮膚科や精神科などを受診しながら、改善が見られず悩んでいる女性は少なくない。メノポーズを考える会が一昨年、電話相談の内容を分析したところ、相談者の51%が複数科を受診していた。複数科を受診していた女性のうち、婦人科での更年期治療を受けることを勧められた人は14%だったという。

 リスク考え治療を

 聖マリアンナ医科大学教授の石塚文平さん(産婦人科)は、「更年期の諸症状があれば、まずは婦人科の受診を。その上で、必要に応じて専門科を受診する方が、経済的にも時間的にも効率がいいと思います」と助言する。

 会に寄せられた相談では、更年期の症状を改善する代表的な治療法、ホルモン補充療法(HRT)に関する質問も多かったという。HRTは更年期に失われていく女性ホルモン(エストロゲン)を経口薬や張り薬などで補充するもの。血液検査などで治療の可否を検討した上で行い、50歳代で開始、5年以内の投与が一般的。ただし、一部の人では乳がんや血栓症のリスクが高まるとの報告もあり、更年期専門の医師にかかりたい。

 石塚さんは「HRTを行えば更年期症状のほとんどが3か月程度でとれるので、ほかの病気との鑑別にも役立ちます。自分の症状とリスクを考えたうえで、治療を検討してください」と話している。

 ◆来月、セミナー開催

 3月1〜8日の「女性の健康週間」には、更年期に関するセミナーも行われる。

 ▽フォーラム「ミドルエイジからの女磨き〜最新更年期医療〜」 3月1日午後1時、東京都港区のスパイラルホール。女優の高畑淳子さんらのトークショー。参加費1500円。申し込みはメノポーズを考える会(ファクス03・3351・8073)。

 ▽セミナー「更年期から生涯元気に生きるために」 3月5日午後1時50分、東京・銀座の十字屋ホール。医師やカウンセラーによる講演。無料。申し込みはNPO法人更年期と加齢のヘルスケア(03・3507・3172)。

http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20090214ok04.htm