【ワシントン=岡田章裕】景気対策法案の早期成立に必要な「1票」を確保するため、政府専用機をオハイオ州へ——。
オバマ大統領は、母親の葬式で帰郷していた民主党のシェロッド・ブラウン上院議員(オハイオ州)を呼び戻すため13日午後、政府専用機をオハイオ州に派遣した。
ブラウン議員が民間の航空機では13日中に戻れないため、16日までの法案成立に執念を燃やすオバマ大統領が異例の措置をとった。米メディアが一斉に伝えた。
オバマ大統領は13日も演説で、「きょう採決が行われると期待する」と早期可決を強く訴えていた。
上院で民主党が共和党の議事妨害を防いで早期成立を図るためには60票が必要だ。民主党(56人)は民主党系独立派(2人)を合わせても58票しかなく、2票足りなかった。10日の採決では共和党の穏健派3人を取り込んだが、13日の採決ではエドワード・ケネディ上院議員(民主)が体調が思わしくなく欠席。ワシントンから西におよそ500キロ・メートル離れているオハイオ州にいたブラウン議員を呼び戻した。