「世界最高の環境の中で、最高のドラマを見せる」。2016年の夏季五輪招致で、開催計画を記した立候補ファイルが発表された13日、都庁で記者会見に臨んだ石原知事は、招致レースの本格化に支持を訴えた。計画では、1964年の東京五輪で競技会場だった施設が再び舞台として活用される一方、恒久施設として都内に5会場が新たに設けられる。(山崎純之介、石川剛)
立候補ファイルによると、都内に新設され、大会後も存続される恒久施設は、中央区晴海のメーンスタジアム(建設費931億円)のほか、バレーボール会場の「代々木公園アリーナ」(渋谷区、同182億円)、ボートなどの会場となる「海の森水上競技場」(江東区、同376億円)、葛西臨海公園のカヌー会場(江戸川区、同28億円)、セーリング会場の「若洲オリンピックマリーナ」(江東区、同92億円)。
これらの恒久施設の整備費として、東京オリンピック・パラリンピック招致委員会は、都や国などの負担分を計2269億円と見込んでいる。都は、新年度予算案に計上する1000億円も含め、五輪施設の整備基金に計4000億円を積む予定で、「財政的な心配はない」とアピールする。
一方、64年の東京大会でメーンスタジアムだった国立競技場(新宿区)はマラソンの出発点に。ゴールは晴海のメーンスタジアムで、「まさに世代を超えたつながりになる」(招致委の河野一郎事務総長)。日本武道館(千代田区)は、再び柔道の会場となる。
計画では、メーンスタジアムから半径8キロ以内に95%の会場が集中するコンパクトさが特徴だが、多摩地区も、自転車競技のロードレースのコースとなり、都内に8か所設けられる大型スクリーンの中継会場のうち、1か所は多摩に設けられる。
大会理念は「平和に貢献する 世界を結ぶオリンピック・パラリンピック」。石原知事は「戦後60年、平和の歴史を築いたわけですから、私たちは胸を張って、オリンピックという舞台を通じて世界に平和を呼びかけることができる」と東京開催の意義を強調した。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20090214-OYT8T00091.htm